桜の人

向こうからやってくる人がいる。

それをみる人々のヒソヒソ話が聞こえてくる。

「おい、あいつを見ろよ。なんか不思議だ」

「あいつはなんだ?どんな生き方をしてきたんだ?」

「女?いや、男なのか?どっちなんだ?」

「なんとなく馬っぽい、いや鹿だな」

「バッハが現代に生きていたらこんな雰囲気だったかもしれない」

「今すぐに政治家になるべきだ」

「美人はこういうタイプが好きに違いない」

 

そして最後の人はこう言ったのであった。

「春風を呼ぶ人だ」

桜の人よ、こんにちは。

 

 

sakuranohito