ベストセラー作家であり、
一人の息子の父でもある
蓬田錬太郎に1月11日に電話が掛かってきた。
「はい。よもぎだです」
「よもぎださんですか?私、日本作詞協会理事長
上野田五郎jrと申します。」
「はじめまして。ご用件は?」
「実は先生に折り入ってご相談がありまして
お電話させて頂いた次第です」
「そうですか。どんな相談ですか?」
「はい。これから売り出したい演歌歌手がいまして、
その歌手の曲の作詞をお願いしたいのです」
「何故私に?」
「はい。実は先生のベストセラー小説である
謎めいた女、の主人公、畑中蘭と同姓同名なのです。
そして、その新人は先生のファンなのです」
「ほう。そうでしたか。それなら引き受けようと思います」
「ありがとうございます。曲のタイトルですが・・
言い辛いのですが・・・」
「言ってください。遠慮せず」
「わかりました。ありがとうございます。
曲のタイトル「謎めいた女」でお願いしたいのです」
「小説と同じタイトルですか・・それはどうだろう?
二番煎じになり兼ねないのではないでしょうか」
「こちらもそれを危惧しましたが、
思い切って先生に依頼させて頂くことで、
逆に二番煎じではなくなるのではないかと思ったのです」
「なるほど。そうですね。それならやってみましょうかね。
一度その歌手の歌声を聴かせてもらえませんか」
後日、新人演歌歌手「畑中蘭」の歌声が送られてきた。
ものすごく低い声だった。
はっきり言って、男の声だった。
まさしく、謎めいた女だったのであった。
4月22日 下北沢モナレコーズにて
バンドとしてのライブが決定しました。
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